損と得 2011 12 23

 来年も、欧州危機は、続くかもしれません。
いや、決着が着くまで危機を続けさせるかもしれません。
 欧州危機は、次から次へと、いろいろなことが起きて、
あるいは、情報の洪水によって、わかりにくくなっています。
 そういう時は、欧州危機によって、
誰が得をして、誰が損をするか、
それを考えれば、わかりやすくなるでしょう。
 欧州は、日本と違って、階級社会です。
現代においては、
貴族も富豪も目立たないようにしているでしょうが、
それは、誰もが気づいていて、
あきらめに近い気持ちを持っているでしょう。
庶民の子は庶民で終わるということです。
 日本においては、銀行というものは、
個人の持ち物ということは、あり得ませんが、
欧州においては、それが、あり得るのです。
もちろん、公式には株主のものとなっていますが、
それは、表向きの体裁です。
 このまま欧州危機が続けば、欧州の銀行は、弱体化します。
つまり、貴族や富豪の持ち物だった銀行が弱体化するのです。
弱体化した銀行は、政府に公的資金を求めることになるでしょう。
その結果、銀行は、個人の持ち物から公的な存在となるのです。
だから、欧州の銀行は、公的資金の注入を嫌がるのです。
 こうした動きの中で、得をするのは、誰か。
それは、ビューロクラートやテクノクラートのように、
高度な専門知識と政策能力を持ち、
国家の政策決定に関与できる高級官僚、
つまり、EU官僚に代表されるエリート階級が、
漁夫の利を得ることになります。
 要するに、欧州は、日本のように、
富豪や貴族が存在しない、
官僚が支配する国家になっていくかもしれません。
 もちろん、これでは、
官僚が新たな階級社会を作ることになってしまいますが、
しかし、庶民の子でも官僚になることはできます。
貴族社会においては、庶民の子は庶民で終わるのです。
 「会議は踊る、されど進まず」
これが意図的だったとしたら、どうでしょうか。
 以上、ここまで書いたことは、
あくまでもフィクションです。
小説です。
気にしないでください。
 しかし、欧州危機は来年も続くし、再来年も続くでしょう。
こうした危機の中で、誰が得をして、誰が損をするか、
それを冷静に見ていくことも必要です。
























































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